水色の毎日

日記と読書

炊事、掃除、洗濯

炊事、掃除、洗濯。時代が変わってもこれらの家事が消えることはない。

 

世間では家事にかける時間をどれだけ短縮できるかが、豊かな生活を営むためのコツであるかのように語られる。「炊事はほっとクックに、掃除はルンバに、洗濯はドラム式洗濯乾燥機に任せて、空いた時間を家族団らんや趣味に使いましょう」というように。

 

だが、生活するために不可欠なすべてを自動化することで、私たちは本当に豊かになれるのだろうか。自分の生活を「あれはムダ」「これは効率が悪い」と採点し続ける行為は、なんだか疲れてしまう。

 

実家に帰ったとき、母が洗濯物をひとつひとつ丁寧に畳んでいる姿を見た。働いていたときは「ハンガーから直接取って着ればいいじゃないか」と思ったが、今はちょっと違うことを思った。どんなに効率が悪くても手ずから行う心の余裕が、羨ましいと思った。

 

「心を亡くす」と書いて、「忙しい」と読む。もしかしたら忙しさから解放されたいと思うことがその始まりなのかもしれない。世の中には「忙しい人のライフハック」がごまんと溢れているけれど、それ自体が心を奪っていくのではないか。

 

少しくらい手をかけたって、遠回りしたって、効率が悪くたっていいじゃないか。無駄に時間を割くことだって、いつか私の心の糧になる。

 

そろそろ食事の支度をしよう。コンビニ弁当の方が手っ取り早いかもしれないが、腕によりをかけて振舞おう。

今日も読んでくれてありがとう。